日本保健物理学会

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会長挨拶

 

 

  一般社団法人日本保健物理学会

会長 吉田 浩子

 

このたび、日本保健物理学会の会長を務めることになりました。本学会は前身である日本保健物理協議会が1961年にスタートしましたので、そこから数えますと今年60周年を迎えたことになります。諸先輩方が築いてこられた長い歴史と蓄えられた知識・経験が豊富な本学会の会長を務めさせていただくことは私にとって大変光栄なことでありますが、同時に、責任の重さを痛感し身の引き締まる思いでおります。山西副会長、理事の皆様、事務局の協力のもと、そしてなにより、会員の皆様のご支援のもと、全力を尽くす所存でございます。

 

私は、2015〜2019年の4年の間、企画委員長を務め、2019年12月の日本放射線安全管理学会との仙台合同大会では大会長を務めました。また、2016年には本学会も加盟している国際放射線防護学会(IRPA)の理事に本学会から立候補して選出され、現在もIRPAの理事として活動をしております。

 

今期の活動の基本的な方向性について、本学会の長い歴史の中で培われた知識・経験をベースに、甲斐前会長のもと立ち上げられた様々な新しい活動を確たるものとし、かつ、その流れを発展的に次へとつなげて行きたいと考えます。そのなかでも、重点的に取り組む具体的な活動として、国内と国外の双方の視点から、以下の三点をあげさせていただきます。

まず一つ目について、福島第一原子力発電所事故に関する課題における「外」との交流・連携です。福島事故が国内及び国外社会に与えたインパクトはきわめて大きく、事故から10年経過した現在も廃炉に向けた長い道のりとともに避難指示が解除あるいは緩和された地域において人々が生活を取り戻し再建していくなかで、放射線防護の実践におけるさまざまな課題が浮き彫りになっております。これらの課題に我々放射線防護の専門家はどう向き合っているか、また今後どのように向き合っていくかについては隣国韓国の放射線防護学会(KARP)を始めIRPAの国際的な仲間たちもきわめて高い関心をいだいており、本学会の発信と活動に大きな期待をよせています。IRPAの国際的ネットワークを使い国際的な視点を交えて議論を深めていくことを考えております。同時に、これにあたっては、社会における放射線防護の実践の観点から、放射線以外の学会との連携及び放射線防護ではない「外」の専門家との交流・議論がさらに必要となるでしょう。社会の複雑な枠組みの中での放射線をめぐる課題をめぐり放射線防護が果たす今後の役割を考える上で、これらの視点はきわめて重要なポイントになると考えています。

 

次に、放射線の利用の実態と放射線防護の現実に目を転じますと、医療分野における放射線業務従事者への放射線防護の周知が喫緊の課題であり、これにあたっては医療分野の学会と連携をさらに進めていく必要があると考えています。現在の本学会の会員の専門分野は教育・研究関連及び原子力関連が大きな割合を占めていますが、将来的には医療関連の会員の割合が大きくなる時代が来ることも予想されます。これを見据え、医療従事者の方々に放射線防護を知っていただき、関心を持っていただく活動を推進していきたいと考えております。

 

三つ目は、これまでも本学会の最重要な課題としてとりあげられてきた会員の高齢化と若手人材供給減少による会員数の減少への対応です。理事と若手とのコミュニケーションをさらに図るとともに、本学会の会員になりたいと思っていただけるような魅力的な活動を展開していきたいと考えています。同時に、一つ目の取り組みとも関連しますが、放射線防護の「外」の専門家にこの領域に入っていただくことも必要になってくると考えています。放射線防護及び学会員の層と幅を広げることにより、本学会の中身の充実と活動のさらなる活性化が期待でき、これにより、あらたな人材を呼び込むことができるのではと考えております。

 

以上三つの具体的な取り組みを申し上げましたが、学会としての重要な役割はこれらの活動を通して会員ひとりひとりの交流を活発にする場所を提供することであると思います。専門情報の交流の場はもちろんのこと、世代を超えて専門を超えて交流できる機会をさらに増やしていきたいと考えております。ひとりでも多くの会員が日本保健物理学会の会員であることに意味を見い出し、また、あらたに会員になってくださる方が増えることを期待しております。

 

最後になりましたが、甲斐前会長はじめ前期理事の方々、各委員会等で活躍された会員とすべての関係者の皆様に心から敬意を表し、引き続き今期にもご支援いただきますようお願いして就任のあいさつといたします。

 

2021年7月9日

 

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