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人文・社会科学的視点から考察する自然起源放射性物質含有廃棄物の取扱い専門研究会

2022年1月12日 更新

 

  1. 設置趣旨

 平成29年度から平成30年度に実施した、日本保健物理学会の自然放射性核種を含む廃棄物の放射線防護に関する専門研究会(以下、前専門研究会と称す)の成果を、人文・社会科学的、及び、倫理学的観点を考慮して見解をまとめるものである。

 前専門研究会においては、「鉱さいの取扱についての考え方」「自然放射性核種の考え方」及び数億年にわたる半減期の長さや天然賦存性に伴う被ばくの「確率論的リスク」について、広義の自然起源放射性物質(NORM)と利用したウランの放射線防護について議論を行った。その過程でシンポジウムの開催により外部の意見を聴取し、研究会としては、行為に対する計画被ばくの観点からNORMと一度利用したウランの扱いについて、考え方の整理と統合を試みたが半ばに終わった。報告書では、今後取り組むべき重要な課題として、人文・社会科学的側面への配慮が挙げられた。遠い将来増加するかもしれない潜在被ばくへの対応を未来世代に託すことは、現在世代が現時点で真摯な対応をすることにより世代間倫理に大きくは反しないと考えられるが、今後、さらに人文・社会科学、倫理学、心理学などの分野を交えて、特に、ウラン廃棄物についてより深化した議論をすることが必要である、と結んでいる。

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 そこで、本専門研究会では、諸外国が国で実施できないを究明の問題打開には、放射線の防護や安全管理に関わる知見だけでなく、人文・社会科学、心理学、倫理学などの幅広い分野にまたがる考察が不可欠と考えそれらを踏まえたアプローチを採ることにより、利用したウランを含む自然起源放射性物質を含む廃棄物の処分するための道筋が示せるものとている。そこで、本件に関わる優れた専門家を数多く擁する日本保健物理学会において、この問題を議論するための専門研究会を立ち上げ、集中的に考察することとしたい。

 

活動計画

  1. (1) 鉱さいの取扱についての考え方
    •  NORMの範疇として区分され、現存被ばくとして、現地で管理されている。この管理状況を、管理する鉱さいの量が桁違いに大きい、諸外国の例を通して確認し、そこを流れる放射線母語の考え方、次世代への影響に対する考え方を確認し、我が国の放射線防護の考え方との違いを明確とする。
    • NRCがウラン鉱さいの取扱についてまとめた最終報告書、“Final Generic Environmental Impact Statement on uranium milling, project M-25” NUREG-0706, Vol. 1, pp. 17, Sept., 1980等を参照する。
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  2. (2) Primordial(原始から在るもの)の概念
    •  NORMに対する放射線防護の考え方が、どのように位置づけられるのかについて検討する。この検討では、Primordial(原始から在るもの)、自然放射線の意味を再考して、除外の基本的な考え方を整理し、対象とする核種が自然の中で常に存在する放射性物質とすることをどのように考えるのかをテーマに議論を深める。
    • Primordial性」について検討する。
    • Merril Eisenbud, 「ビキニ事件の追憶と今後の放射線安全問題(1), (2)」, Isotope News, 1985年2月号、3月号、あるいは、”Protection of the public in situations of prolonged radiation exposure”, ICRP 82, 1999等を参照する。
  3.  
  4. (3) リスクと正当化の概念
    •  NORMの場合の放射線影響の見方、考え方または評価を検討する。
    •  2人のシーベルト賞受賞者の記念講演、L. S. Tayler; Some Nonscietific Influences on Radiation Protection Standards and Practice, The 1980 Sievert Lecture, Health Phys., 39 (2), 851 (1980)、G. Silini; Ethical Issues in Radiation Protection – The 1992 Sievert Lecture, Health Phys., 63 (2), 139 (1992)、等を考える。
  5.  
  6. (4) 超長期にわたる評価
    •  1万年を超える時間スケールでの継続的な管理が必要とされる。こうした超長期にわたる被ばくの評価に付随する不確実性をどう取り扱うのか、という重要な質問にいくつかの考えが散見されるものの、我々は未だ納得しうる回答を持てていない。
    •  Primordialの概念、リスクと正当化の概念といった上記論点の議論を踏まえ、未来の社会や地球環境を見通しながら不確実性の低減を図ることを通して解を求める。
  7.  
  8. (5) 公開セッションの開催
    •  NORMである鉱さいの取扱とウラン含有廃棄物の処分を統合した放射線防護の基本的概念を議論して、共通認識を確認する場を企画セッション等で確保し、活動報告をとりまとめる。

 

3. 研究会員

委員(主査)   保田 浩志     広島大学・教授

委員(幹事)   麓 弘道      日本検査(株)・シニアアドバイザー

委員(幹事兼予算管理)    齋藤 龍郎   日本原子力研究開発機構・技術副主幹

委員               笠井 篤      環境技術センター・技術顧問/元日本原子力研究所

委員     栗原 晃一  三菱重工業(株)・主任チーム統括

委員               下 道國       藤田医科大学・教授

委員             菅原 慎悦      関西大学・准教授

委員               土田 昭司      関西大学・教授

委員               古田 定昭      古田技術士事務所長

(五十音順)

 

4.議事録

第1回会合 (2020年5月15日-6月30日開催)

第2回会合 (2020年7月31日開催)

第3回会合 (2021年1月19日開催)

第4回会合 (2021年4月 5日開催)

第5回会合 (2021年5月24日開催)

第6回会合 (2021年7月29日開催)

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