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放射性物質の処分における規制免除に係る人文・社会科学的視点からの考察に関する専門研究会

2024年7月29日

 

1. 設置趣旨

 近年、世界的な原子力関連施設の老朽化に伴い、放射性廃棄物処分に関わる免除やクリアランスの問題は国際的に広く関心を集めている。2023年(令和5年)11月には、国際原子力機関(IAEA)が免除およびクリアランスの概念の適用に関する2つの安全指針(GSG-17およびGSG-18)を刊行した。原子力産業を推進してきた国の多くは、増え続ける一方の放射性廃棄物をどう適切に処分するかに頭を悩ましており、その減量化につながる規制免除拡大の動きを肯定的に捉えている。実際に放射性廃棄物の産業廃棄物処分場への払い出しを積極的に進めている国もある。

一方、我が国では、放射性廃棄物処分の制度化において免除の導入には慎重であり、放射性廃棄物となったものを産業廃棄物として処分するためには、関係する人々の意向や感情にも配慮した、丁寧な 説明や入念な同意のプロセスが必要とされている。

 そこで、本研究会では、我が国でこれまで十分に議論がされてこなかった、原子力利用に伴って発生するもののうち放射能レベルのごく低い廃棄物の取扱いについて、人文・社会科学も含む多様な視点から議論を行い、我が国の実情により適した規制免除の有り方とその円滑な施行に向けた道筋を示すことを目指す。

 

2. 活動計画

 本研究会では、まず、原子力・放射線施設で発生する廃棄物のクリアランスを含む、放射性廃棄物の規制免除に関する国内外の現状について調査すると共に、IAEAが2023年11月に刊行したガイド(GSG-17/18)に示されている規制免除の国際指針について研究会メンバーの理解を深める。そのうえで、各国・地域における対応の違いや妥当性について分析し、各国・地域の歴史や文化に根差す基本的な考え方の違いが規制免除に係る対応の仕方にどう影響しているかについて、人文・社会科学的視点からの分析を試みる。そして、分析の結果に基づき、日本人の国民性や支配的な倫理観に即した適切な規制免除の有り方に向けての提言を行う。

 本研究会の活動期間は2年間とし、各年度に3~4回の会合を開催することを予定している。会議形式は原則としてオンラインとし、主査及び幹事は必要に応じて参集して対面で参加する。

 主な活動予定内容は以下のとおりである。

 

1年度目 2024年度

 専門研究会の活動目的と主要な議題の確認

 放射性廃棄物の規制免除に係る法令やガイド(IAEA GSG-17/18等)の理解

 我が国における放射性廃棄物の規制免除の実施に係る実態と課題の把握

 文献・国際動向調査

 

2年度目 2025年度

 人文・社会科学的な視点に立った放射性廃棄物の規制免除に係る課題の整理

 上記課題の解決を図るうえで有効な対策の検討・提案

 活動報告書の作成および審議

 

3.     研究会員

委員(主査)  保田 浩志       広島大学

委員(幹事)  齋藤 龍郎       日本原子力研究開発機構

委員(幹事)  麓 弘道          日本検査株式会社

委員(幹事)  三輪 一爾         日本アイソトープ協会

委員              杉山 大輔         電力中央研究所

委員              辻本 恵一         三菱マテリアル株式会社

委員              土田 昭司         関西大学

委員              山口 文恵         日本原子力研究開発機構

委員(企画委)   平 純一          東京電力ホールディングス株式会社

 

4.     議事録

 

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