令和2年7月10日
日本保健物理学会
会員各位
国際対応委員会
国際放射線防護学会IRPAより加盟学会に対して「IRPA Statement on ‘Reasonableness’ in Optimisation of Protection」草案に対する意見募集がなされました。
・意見募集のお知らせ(pdfファイル)
・意見募集のお知らせと声明案(Wordファイル)
・上記の日本語訳(Wordファイル)
主なポイントは以下のとおりです。
・放射線防護の第二の基本原理である防護の最適化が、日常的な防護行為の適用に重要であり、ALARAの「R」に関連する判断がこの最適化プロセスの鍵であることも明らかである。しかし、近年、「合理的」であることの解釈について下記の懸念があり、国際的に大きな関心が寄せられている。そこで、「合理的」な判断を支える主な要因を推定し、適切なガイダンスを提供するため、IRPA執行理事会は「防護の最適化における合理性」について声明を作成することを決定した。
・懸念事項として、ALARAの概念を適用する際に、「合理的」であることの解釈が、注意深くありすぎ、そして、制限されすぎている場合がある。また、何が合理的であるかバランスの取れた判断を行わず、被ばくを最小限に抑える選択をする傾向がある。
・これらの懸念点について、防護体系についてのIRPAコンサルテーション1で表明されて以来、「合理性」について検討するためのワークショップや演習が行われ、ガイダンスが公開された(SFRP2、欧州ALARAネットワーク3、および、NEAによるワークショップ「Rethinking the Art of Reasonableness(リスボン、2020年1月)」)。一般的に、これらのワークショップでの議論は、特定の被ばくシナリオに基づいており、結論は選択したシナリオの詳細に関連する。これらの結果には非常に価値があるが、最適化が必要な状況の範囲は膨大であり、各地域の状況において多くの要因を考慮する必要があることを認識しているため、IRPAは全ての状況に対する防護の最適化プロセスを支える幅広い一般的な教訓を学ぶ必要があると考えている。そのため、IRPAは本声明を作成することを約束し、幅広いレビューとコメントを求めている。
1. Coates et al, 2017 J. Radiol. Prot. https://doi.org/10.1088/1361-6498/aa9e5c
2. Lecomte et al, 2019 Radioprotection https://doi.org/10.1051/radiopro/2019037
3. Optimisation of Radiation Protection ALARA: A Practical Guidebook. 2019 European ALARA Network www.eu-alara.net
つきましては、学会員の皆様からのご意見を募集・集約し、IRPAに意見発信したいと思いますので、下記の要領でご意見をお寄せください。
意見提出先:一般社団法人日本保健物理学会 <exec.off@jhps.or.jp>
(整理のため、メールの件名は「IRPAドラフトへのコメント」としてください。)
提出締切:2020年8月29日(土)17:00必着
ご意見は、日本語でも結構です。なお、類似のご意見等を頂いた場合には、集約させて頂く場合がありますので、どうかご了承ください。
以上