日本保健物理学会

HOME > お知らせ > ICRU/ICRP実用量レポートへの意見募集について

お知らせ

ICRU/ICRP実用量レポートへの意見募集について

更新 平成29年9月12日

 

会員各位


 国際対応委員会より、ICRU/ICRP実用量レポートに対する意見募集のお知らせです。

 

 現在、ICRPにおいて意見公募中(11月3日〆切)のレポート「Joint Report of ICRU and ICRP: Operational Quantities for External Radiation Exposure」(http://www.icrp.org/page.asp?id=355)では、実用量の定義が大きく変更になっています。現行の実用量の考え方は、30年前に実測が可能な量として、ICRU球または平板ファントムに放射線が入射したときのある深さにおける線量(線量当量)として定義されました。一方、このレポートでは、実効線量の管理に対して、ICRU球や軟組織の線量当量を用いるのではなく、防護量である実効線量をもとに測定量を定めることとしています。また、白内障や皮膚の急性障害等の組織反応の防止には、確率的影響の評価に用いるための等価線量ではなく、吸収線量をもとに測定量を定めることとしています。防護量については、2010年にICRP publication 116が発刊され、これまで数式タイプのMIRD型ファントムを用いた評価から臓器の形状や位置が実際の人体により近いファントムを用いた評価に変更されるとともに、より高いエネルギー範囲の評価が可能となったこと、現在の実用量は、ICRP116 で線量換算係数が提供されている放射線のタイプやエネルギー範囲に十分に対応できていないことも今回の改定に至った要因です。

 

 ICRPの意見公募は各個人からでも提出可能ですが、学会から意見を送ることにより、より大きなインパクトで受け取ってもらえることを期待しています。


 ご意見は、日本語でも結構です。
なお、類似のご意見を頂いた場合には、ご意見を集約させて頂く場合がありますので、どうかご了承ください。

 

意見提出先: 一般社団法人日本保健物理学会 <exec.off @ jhps.or.jp>

担当: 国際対応委員会

提出方法: 学会へのメールまたは事務局へ郵送にてお送りください
提出締切 : 10月6日(金)

 

(参考:仮訳)


アブストラクト
 委員会は、測定あるいは計算によって外部放射線の被ばくの決定のための実用線量のセットを定義しています。これらの評価は、一般的に測定不可能なICRPによって定義された防護量の値の評価に役立ちます。現在使われているICRUの実用量のセットは、30年前に定義されました。実用量の基本的な根拠は、防護量の定義の変化や、医療、科学的な研究および自然放射線源における実用量と防護量を適用する分野の変化、ならびに、作業者や公衆の構成員への線量に寄与する粒子とエネルギー範囲のタイプの拡大を考慮して検討されてきました(ICRP, 2010)。

 これまでの実用量は、仮想的なICRUの4元素からなる球の中のある深さで作成された線量当量と身体のある点における軟組織中の線量当量に基づいていました。この報告書に示された勧告につながる、これまで実施されてきた調査結果には、組織等価ファントム中の異なる深さにおける加重された吸収線量の値に関する研究が含まれてきました。

 この報告書で勧告された実用量は、身体への広い並行ビーム入射に対して計算された防護量、実効線量、眼の水晶体の吸収線量、そして局所的な皮膚の吸収線量への換算係数の値を乗じる形で、空間中のある点での放射測定でき、かつ線量評価が可能な量として定義されています。
 勧告された実用量の防護量に対する関係が調査されてきました。装置の設計や校正を含めて、ルーチンの測定行為の変化の影響が考慮に入れられました。

 

要約
 この報告書では、セクション1において、電離放射線への人体の被ばくの定量のための実用量と防護量の使用の背景を扱っています。防護量は、部分的には適用先の変化や関与する粒子の種類やエネルギーの範囲の変化のために、改訂されてきました。実用量は、これらの理由で改訂を必要としますが、これまでの量に限界がきたためでもあります。

 この報告書で用いられた概念と用語は、セクション2で説明されています。関連する放射測定的かつ線量評価的な量、防護および外部被ばくの放射線防護のための実用量は、セクション3にあります。
 エリアモニタリングのために勧告された実用量は、空間線量、眼の水晶体に対する方向性吸収線量、そして局所的な皮膚に対する方向性吸収線量であり、個人モニタリングのためであれば、個人線量、眼の水晶体に対する個人吸収線量、そして局所的な皮膚に対する個人吸収線量になります。
セクション4には、勧告された量の計算の方法についての情報があります。換算係数の勧告された値とこれまでの値の比較がなされています。これらの比較結果は、これまでの量の限界を示しています。セクション5では、職業的な放射線防護と環境モニタリングにおける実用量の適用範囲が検討されています。エリアモニタリングの装置と個人線量計の校正は、校正手続きと校正用ファントムに関する情報とともに、セクション6で検討されています。セクション7では、これまでの値の限界を克服し、高エネルギーの光子、電子、中性子、そして他の粒子タイプの放射線場における防護の問題に対する回答を提供する、勧告された実用量の進歩に関する一般的な結論を述べています。

 付録Aでは、粒子フルエンスから、空間線量、個人線量、眼の水晶体に対する方向性吸収線量、局所的な皮膚に対する方向性吸収線量への換算係数の値があります。光子に対しては、空気カーマから実用量へと、荷電粒子平衡にアプローチするためのカーマ近似法を用いて計算されたフルエンスあるいは空気カーマから実用量への換算係数の2つの追加データセットがあります。
 付録Bでは、これらの値の計算に用いられた計算機コードの概略があります。
 付録Cには、粒子フルエンスから(光子の場合には空気カーマから)、眼の水晶体の敏感な細胞あるいはレンズ全体への吸収線量の最大値に対する有益な表と図があります。

 

以上

戻る

一般社団法人日本保健物理学会 事務局

TEL: 03-6205-4649 / FAX: 03-6205-4659

E-mail: exec.off@jhps.or.jp

ページトップ